◆米沢の上杉博物館で、「米沢藩医家の系譜」展が9月19日から11月23日まで開催されています。図録は、米沢藩の医家堀内家文書やシーボルト門人伊東省迪資料の紹介のほか、海原亮(住友史料館)や織田毅(シーボルト記念館)らの寄稿もあります。◆堀内家第5代堀内素堂は江戸に出て蘭方医坪井信道に師事し、伊東玄朴と一緒に診療活動を続けます。そしてドイツ人医師フーヘランドの小児科医書のオランダ語版を『幼々精義』(第1輯天保14年、第2輯弘化2年)に刊行します。この第1輯跋序文は坪井信道、跋文を杉田立卿、第2輯序文を箕作阮甫、跋文を伊東玄朴が書いており、我が国最初の小児科医書となっています。◆展示も図録も米沢藩医学の西洋医学導入の過程が、歴史的に見える展示になっています。米沢藩医家水野家門人姓名録からは、米沢の医家たちの修学過程も見えます。藩医学校好生堂蔵書目録からは、米沢藩の医家らが蔵書を借用して勉強していた様子も